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突然の欠員から立ち上げた給与社保業務のBPO

従業員数: 約500名
給与計算_突然の退職、欠員が発生し、補充ができない場合のアプローチ
増員なしで基幹業務を立て直した後の業務移管

 

当社は複数の製造拠点を持ち、本社の人事総務部門で給与計算と社会保険事務を内製で行ってきました。

担当は実質1名で、もう1名が繁忙期のみ応援に入る体制です。長く同じ担当者が続けていたため、業務は滞りなく回っており、特に問題があるとは考えていませんでした。

しかし、その担当者が家庭の事情により、引継ぎ期間をほとんど取れないまま退職することになりました。

社内で代替できる人材を探しましたが、給与計算を一通り経験している従業員はおらず、中途採用を検討したものの、募集をかけてから戦力化するまでには早くても半年はかかると見込まれました。

給与計算は1か月でも止められない業務です。支給日を延ばすことはできず、社会保険の資格取得・喪失や算定基礎届にも期限があります。

残された資料は、担当者が個人で作成したExcelの手順メモと、システムの操作画面のスクリーンショットが中心で、なぜその処理をしているのかという判断の根拠までは残っていませんでした。

この状況を乗り切るため、当社は給与計算と社会保険事務の外注化を決め、さかえ経営に相談しました。

 

 

1.問題と課題

 

現状を整理したところ、以下のような問題点が抽出されました。

  1. 給与計算を完結できる人材が社内にいない
  2. 業務手順が個人のメモに依存しており、判断の根拠が残っていない
  3. 例外的な支給・控除の処理が、担当者の記憶のみで運用されていた
  4. 採用・育成による補充では、次回の給与支給日に間に合わない
  5. 業務が止まった場合の影響が、給与だけでなく社会保険・年末調整まで及ぶ

ポイントを整理すると、「時間がない」「引継ぎ資料がない」「社内に判断できる人がいない」の三点が重なっている状態でした。

通常であれば、業務を整理し、効率化の方針を固めてから外注するのが望ましい順序です。しかし当社にはその時間がありませんでした。

 

2.業務の引継ぎと現状把握(STEP1:業務把握)

さかえ経営からは、まず「効率化や標準化は後回しにして、現状の業務をそのままの形で引き継ぐ」という進め方が提案されました。

自社の作業標準に合わせることを優先せず、当社が行っていたオペレーションルールをそのまま再現するという考え方です。

具体的には、退職予定の担当者に対するヒアリングを短期間に集中して行い、月次の作業カレンダー、システムの設定内容、支給控除項目ごとの計算根拠、例外処理の一覧を洗い出しました。

あわせて、直近数か月分の給与データと社会保険の届出控えを預け、実際のアウトプットから計算ロジックを逆算して確認する作業を並行して進めました。

ヒアリングで説明が得られなかった処理についても、過去のデータから処理の傾向を推定し、当社に確認を取りながら仕様として固めていきました。

3.BPO開始後の運用(STEP2:BPO開始)

引継ぎの翌月から、給与計算と社会保険事務の実務をさかえ経営に移管しました。

当初の数か月は、STEP1で取りこぼした作業や、確認が漏れていたオペレーションが必ず出てくるという前提で運用しました。

実際に、年に数回しか発生しない手当の処理や、拠点ごとに異なっていた締め日の扱いなど、引継ぎ時には把握できていなかった論点がいくつか出てきました。

これらは発生した都度、原因と対応を整理し、手順として文書に反映していく形で修正を重ねました。

また、エラーやインシデントが発生した場合には、担当者レベルで処理を済ませるのではなく、なぜ起こったのかを工程に遡って確認し、再発防止策まで含めて報告を受ける運用としました(QC活動の徹底)。

当社側の作業は、勤怠の確定と人事情報の連絡に絞り込み、データの加工はさかえ経営側で行う形としました。

 

4.業務改善の実施(STEP3:BPO業務改善)

 

運用が安定した段階で、引継ぎ時に「現状のまま」としていた部分の見直しに着手しました。

エラーが起きやすい工程、非効率な計算ロジック、二重入力が発生していた情報の流れについて原因を整理し、改善案の提示を受けました。

具体的には、拠点ごとにバラバラだった連絡フォーマットの統一、手当計算の一部の自動化、社会保険の届出タイミングの整理などを順次進めました。

改善は一度にまとめて行うのではなく、業務の安定を損なわない範囲で段階的に実施しました。

 

5.導入後の効果と今後の展開

 

結果として、担当者の退職による欠員を、増員なしで埋めることができました。

給与計算・社会保険事務は滞りなく回り、基幹業務としての安定を取り戻しています。

社内では、属人化していた業務の手順と判断根拠が文書として残るようになり、担当者が変わっても業務が止まらない状態になりました。

今後は、従業員からの問い合わせ対応の移管範囲を広げるとともに、人事情報の整備を進め、人員配置や人件費の分析に使えるデータの蓄積に着手したいと考えています