品質と工数から見直した委託コストの妥当性
2026.10.13
アウトプットの品質と自社工数を踏まえた委託先の見直し
当社は給与計算と社会保険事務を外部に委託していましたが、委託料の水準について社内で議論が生じていました。
単に金額が高いという話ではなく、アウトプットの品質と、当社側に残っている工数を勘案したときに、支払っている金額に見合っていないのではないかという問題意識でした。
委託先に依頼していても、確認作業や差戻しの対応、当社側でのデータ準備は残ります。それらを含めて考えると、実質的な負担は委託料以上のものになっていました。
また、委託範囲の外にある作業について依頼すると別途費用が発生する仕組みで、追加の依頼を控えるようになり、結果として当社側で処理する作業が増えていました。
そこで、委託先の見直しを検討し、さかえ経営に相談しました。
1.問題と課題
現状分析の結果、以下のような問題点が抽出されました。
- 委託料に対して、アウトプットの品質と対応範囲が見合っていなかった
- 委託後も当社側に確認作業・準備作業が相当量残っていた
- 委託範囲外の作業が追加費用となり、依頼を控える運用になっていた
- 結果として、当社側の処理量が徐々に増えていた
- 表面的な委託料だけでは、実質的なコストを把握できていなかった
ポイントを整理すると、コストは委託料という表面コストだけでなく、当社側に残る工数という隠れコストを含めて評価する必要があるということでした。
2.業務の引継ぎと現状把握(STEP1:業務把握)
さかえ経営には、最終アウトプットを確認してもらい、そこに至るまでの過程と作業内容を洗い出したうえで、作業導線を整理してもらいました。
このとき、当社側で行っている作業も工程として明示し、どこに工数が発生しているのかを可視化しました。
その結果、当社側の作業のうち大部分は委託側で処理できるものであり、現行の分担は合理的な根拠に基づくものではないことが分かりました。
3.BPO開始後の運用(STEP2:BPO開始)
移管にあたっては、当社側は現行のワークフローから出てくる情報を、そのままさかえ経営に渡す形としました。
情報の経路を一本化し、当社側でのデータ作成・加工は極力排除する設計です。これにより、当社の工数は大幅に削減されました。
また、システムで対応できる箇所とできない箇所を見極めてもらい、システム対応できない処理については別データでの管理や別途の計算という工程を組み込む形としたため、対応できない作業が当社側に戻ってくることがありません。
従業員からの問い合わせについても受けてもらえるため、境界にあった作業の多くが解消されました。
4.業務改善の実施(STEP3:BPO業務改善)
運用が安定した後は、効率化を進めるにあたって、システムの見直しの検討と、BPO範囲の見直しを行いました。
範囲の見直しにあたっては、追加費用の発生を気にせず相談できる関係であることが、実務上大きな違いとなっています。
5.導入後の効果と今後の展開
コストは従前と同じにもかかわらず、人事部門の業務を大幅に削減することができました。
表面的な委託料は変わっていませんが、当社側に残っていた隠れコストが解消されたことで、全体としての費用対効果は大きく改善しています。
今後は、人的資本への対応に伴い、システムの見直しやBPO範囲の拡大を検討しています。あわせて、収集すべきデータ項目についても相談しながら整備を進めています。