具体的な改善に向けた 人事制度の再構築
人事制度改定による組織風土低下の改善
当社は、主に大型量販手や小売業、ネットショッピングのコールセンターをはじめ、アウトソーシングを請け負っております。
数年前に成果主義の人事制度を、正社員・一部の契約社員に導入しましたが、現場の士気が低下したのか、
クレーム率の上昇やコール件数の低下が加速しています。
また、現場のスタッフの離職率上昇も顕著になってきております。
近々、大型案件も受注予定であるため、人材マネジメントの立て直しを行いたいと考えております。
1.サービスを導入した背景
まずは、現状分析からと考え、人材ポートフォリオや組織診断など、多くの会社に見積もりのお願いしました。
HR-PROGは、当初想定しておりませんが、行動特性と取り組み姿勢診断という、当社のニーズに合致していたので、採用に至りました。
また、さかえ経営自体が、労務にも強いと思ったのも、要因の一つです。
2.従業員に対する取り組ませ方
女性が多い職場であるため、アナウンスは最善の注意をはかりました。
さかえ経営からのアドバイスにより、「従業員満足度診断」という周知を致しました。
ある程度のクラスの従業員は、現場の空気が悪化していると感じていたので、それほど違和感なく、検査を進めることができました。
3.レポート結果の分析事例
レポート結果は、衝撃的でした。特に現場のスタッフの取り組み姿勢が大きく低下しておりました。
また、生活面の指数もあまり良くありませんでした。
確かに、現場スタッフによる労働基準監督署への駆け込みも発生している事実などとも符合していました。
一方で、正社員のマネジメント力にもバラツキがある状態でした。
中間管理職であるマネージャーの適性が、管理職に向いておらず、営業向きである傾向でした。
さらに、芸術家タイプも従業員も散見しており、それらの従業員の取り組み姿勢も低く、危険な状態であることが判明しました。
分析概要
① シニアマネージャー以上の幹部は、行動特性の合致度、取り組み姿勢も非常に高い。
② マネージャー以下のミドルクラスの正社員の行動特性の合致度は非常に低い。
③ 現場スタッフの1割強が、芸術家タイプで、かつ、取り組み姿勢も低い。
④ 専門家タイプの正社員も一定以上、存在しており、それらの取り組み姿勢も高い。
営業・経営サイドの人材は全く問題ありませんでしたが、
主に現場のスタッフやそれを管理するマネージャークラスの人材の改善が急務であるという結果になりました。
4.施策の決定のプロセス事例
HR-PROGにより、採用基準の見直しを行いました。
知識は後から「ついてくる」と割り切り、最優先は「協調性」、さかえ経営の協力も得て、さらなら分析を行った結果、
幹部クラスは元々、当社がベンチャーであった頃からの人材であったが、ミドルクラスは新卒入社等、
当社が比較的規模が大きくなってからの人材であったため、
幹部クラスによるミドルクラスに対してのメンター制度の導入、それを行いやすくするため組織再編も行いました。
また、ミドルクラスに対しての研修の充実、危険な従業員のリストラ等も進めました。
一方で、成果が主体であった人事制度をひとまず凍結させ、人事制度を作り直す計画も立てました。
5.今後の流れ
全く見えない中での診断でしたが、想像以上に問題・課題が明確になりました。
また、解決策が明確であったため、すぐに実行に着手できたのも、結果的には良かったです。
ミドルクラスの人材数は減りましたが、1年たった現在、現場のモチベーションは向上しつつあり、
新規立ち上げたコールセンターも、スムーズな運用ができ、お客様の満足も非常に高いものになりました。
今後は、毎年、HR-PROGによる定点観測を行うと同時に、その結果を受けて、スピード感ある対応を心掛けていきたいと考えております。