採用面接時にしてはいけない質問とは?
最終更新日:2025.05.27
問題の事象
採用面接を予定していますが、してはいけない質問を教えてください。
解説(基本的な考え方)
採用選考時に適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり、面接で尋ねる、作文の題材とするなどによって把握することや、身元調査を実施することは、就職差別につながるおそれがあり、避けなければなりません。
具体的には、
a.本人に責任のない事項
・本籍・出生地に関すること
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること
b.本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条などに関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
などが該当します。
避ける質問の具体例
厚生労働省は「就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例」として、以下のような質問を例示しています。
1.本籍に関する質問
● 本籍地はどこですか。
● お父さんやお母さんの出身地はどこですか。
● 生まれてから、ずっと現住所に住んでいるのですか。
2. 住居とその環境に関する質問
● 住んでいる地域は、どんな環境ですか。
● おうちは国道○○号線(○○駅)のどちら側ですか。
● 自宅付近の略図を書いてください。
3. 家族構成や家族の職業・地位・収入に関する質問
● お父さんは、どこの会社に勤めていますか。また役職は何ですか。
● 家業は何ですか。
● 家族の収入はどれくらいですか。
● 両親は共働きですか。
● 学費は誰が出しましたか。
● 家庭はどんな雰囲気ですか。
● 転校の経験がありますか。
● お父さんがいないようですが、どうしたのですか。
● 義父となっていますが、詳しく話してください。
4. 資産に関する質問
● 住んでいる家は一戸建てですか。
● 持ち家ですか、借家ですか。
● 家の不動産(田畑、山林、土地)はどれくらいありますか。
5. 思想・信条、宗教、尊敬する人物、支持政党に関する質問
● 信条としている言葉は何ですか。
● 家の宗教は何ですか。何宗ですか。
● 家族は、何を信仰していますか。
● あなたは、神や仏を信じる方ですか。
● 家庭は、何党を支持していますか。
● 労働組合をどう思いますか。
● 政治や政党に関心がありますか。
● 尊敬する人物を言ってください。
● あなたは、今の社会をどう思いますか。
● 将来、どんな人になりたいと思いますか。
● あなたは、どんな本を愛読していますか。
● 学校外での加入団体を言ってください。
● 家では、何新聞を読んでいますか。
6. 男女雇用機会均等法に抵触する質問
●結婚や出産後も働き続けようと思っていますか。
●当社は、女性(または男性)は少なく、また長く働き続けられる仕事ではないが、それでも入社しようと思いますか。
●(男性だけに、または女性だけに)残業は可能ですか、また転勤は可能ですか。
※労働条件の事前確認のため、応募者全員を対象に質問することを妨げるものではありません
●スリーサイズはどれくらいですか。
まとめ
「就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例」のなかには、面接という雰囲気からくる緊張を少しでも和らげたいということから、思わずしてしまいそうな質問もあります。
差別意識のある会社と応募者に誤解されないよう、面接担当者に共有しておきましょう。